株式会社Vistainnovate

飲食店の開業資金はいくら?目安と内訳の考え方

首都圏・全国の方はこちら AI経営参謀 cuguru(無料診断)を試してみ

飲食店の開業資金の考え方

飲食店の開業資金の考え方

2026/10/26

「お店を開くのに、結局いくら用意すればいいのか分からない」。開業を考えている方から、いちばんよく聞く悩みのひとつです。インターネットで調べると金額はばらばらで、かえって不安になってしまう方も少なくありません。

開業資金は「平均いくら」よりも、「自分のお店には何に、いくら必要か」を一つずつ積み上げて考えることが大切です。この記事では、公的な調査の数字を参考にしながら、開業資金の内訳の考え方と、明日からできる準備の手順をお伝えします。

公的な調査から見る開業費用の目安

日本政策金融公庫 総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」(2025年8月調査、回答2,165社)によると、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円でした。また「250万円未満」が20.1%、「250万〜500万円未満」が21.7%で、500万円未満が全体の4割を超えています。

ただし、この数字は飲食店だけでなく、サービス業や医療・福祉など全業種をまとめたものです(「飲食店・宿泊業」は全体の14.5%)。飲食店は厨房設備や内装にお金がかかりやすい業種ですので、この数字は「全体の傾向を知る参考」として受け止め、ご自身のお店の金額は必ず積み上げで計算してください。

開業資金は「設備資金」と「運転資金」の2つに分ける

開業資金は、大きく次の2つに分けて考えると整理しやすくなります。

区分 主な中身 考え方
設備資金 物件の保証金・礼金、内装工事、厨房機器、家具、食器、看板、レジなど 開業前に一度に出ていくお金
運転資金 食材の仕入れ、人件費、家賃、水道光熱費、広告費など 開業後、売上が安定するまで支えるお金

開業準備では、どうしても設備資金に目が向きがちです。しかし、開業直後から売上が計画どおりに上がるとは限りません。運転資金を手元に残しておくことが、お店を続けるうえでとても大切です。どれくらい残すかは業態や計画によって違いますが、一般的な目安として「数か月分の固定費と仕入れ」をまかなえる額で考えることが多いです。

設備資金の内訳を考えるときのポイント

設備資金は、次の順番で見積もると漏れが少なくなります。

  1. 物件取得費:保証金(敷金)、礼金、仲介手数料、前家賃など。保証金は物件によって大きく違うので、契約前に必ず確認します
  2. 内装・設備工事費:居抜き物件か、何もない状態(スケルトン)からかで大きく変わります。給排水・ガス・電気容量・換気の工事が必要かどうかも見積もりに入れます
  3. 厨房機器・備品:冷蔵庫、製氷機、コンロ、食洗機、食器、調理器具など。新品・中古・リースを比べて検討します
  4. 開業準備費:看板、メニュー表、ホームページ、ユニフォーム、営業許可などの手続き費用、オープン前の試作や研修の費用

営業許可や設備の基準は地域や業態によって異なるため、工事を始める前に保健所へ相談しておくと、やり直しを防ぐことにつながります。

運転資金は「毎月出ていくお金」から逆算する

運転資金は、毎月かかる費用を書き出すところから始めます。

  • 家賃・共益費
  • 人件費(ご自身の生活費も忘れずに)
  • 食材・ドリンクの仕入れ
  • 水道光熱費、通信費
  • カード決済などの手数料、消耗品費
  • 借入金の返済

これを1か月分合計し、「売上がゼロでも何か月耐えられるか」「売上が計画の半分だったら何か月持つか」を計算してみてください。開業直後は思わぬ出費も起こりやすいため、予備費も別に見ておくと安心です。

資金の集め方と自己資金の考え方

同じ調査では、資金調達額の平均は1,219万円で、そのうち金融機関等からの借り入れが827万円(67.9%)、自己資金が279万円(22.9%)でした。多くの方が、自己資金と借り入れを組み合わせて開業していることが分かります。

創業時に検討されることが多いのが、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。新たに事業を始める方や開業後おおむね7年以内の方が対象で、開業に必要な設備資金と運転資金に使えます。利用にあたっては創業計画書などで事業計画の内容が確認されます。条件や金利は変わることがあるため、最新の内容は日本政策金融公庫の窓口や公式サイトで必ず確認してください。

借り入れは「借りられる額」ではなく、「毎月の売上から無理なく返せる額」で考えることが大切です。

明日からできる開業資金づくりの5つの手順

  1. お店の姿を決める:席数、客単価、営業時間、メニューの方向性を紙に書き出します
  2. 設備資金を積み上げる:上の4項目に沿って、気になる物件や機器の見積もりを集めます
  3. 毎月の費用を書き出す:運転資金の一覧を作り、1か月分の合計を出します
  4. 売上の計画を3パターン作る:「計画どおり」「計画の8割」「計画の半分」で、何か月お金が持つかを確かめます
  5. 専門家に見てもらう:数字ができたら、金融機関、商工会・商工会議所、税理士などに相談し、計画に無理がないか確認します

よくある見落としに注意

開業資金の計画で見落としやすいのは、次のような点です。

  • オープン前の家賃(工事期間中も家賃が発生する場合があります)
  • ご自身の生活費
  • 開業後の広告費やチラシ代
  • 税金や社会保険料の支払い時期

特に税金や社会保険については、お店の形(個人か法人か)によって扱いが変わります。具体的な金額や手続きは、税理士や社会保険労務士に確認してください。

まとめ

開業資金は、公的な調査の平均を参考にしつつも、最終的には「設備資金」と「運転資金」を一つずつ積み上げて決めるものです。特に、開業後の売上が安定するまでを支える運転資金をしっかり確保しておくことが、お店を長く続ける土台になります。

数字づくりは一人で抱え込むと不安になりがちです。計画の段階から第三者の目を入れることで、見落としに早く気づくことができます。

▶ まずは無料で、お店の課題をチェック[cuguru 無料AI経営診断を試す]

▶ じっくり相談したい方は[初回オンライン個別相談の空き枠を確認する]