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飲食店のコンセプトの決め方|5つの手順で「お店の約束」をつくる

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飲食店のコンセプトの決め方

飲食店のコンセプトの決め方

2026/11/01

「うちの店の“売り”って、結局なんだろう」「メニューを増やしてみたけれど、お客様に覚えてもらえない」。開業を考えている方からも、営業を続けているオーナーの方からも、こうしたお悩みをよくうかがいます。

その原因の多くは、お店の「コンセプト」がはっきりしていないことにあります。コンセプトとは、ひとことで言えば「だれに、なにを、どのように届けるお店なのか」という約束です。この記事では、小さな飲食店でも明日から取り組めるコンセプトの決め方を、手順に沿ってご紹介します。

コンセプトとは「お店の約束」

コンセプトというと、おしゃれなキャッチコピーを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし大切なのは言葉の格好よさではなく、お店の判断の基準になることです。

コンセプトが決まっていると、次のようなことに迷いにくくなります。

  • どのメニューを残し、どれをやめるか
  • 店内の雰囲気や器、BGMをどうするか
  • 値段をいくらにするか
  • SNSやチラシで何を伝えるか

反対に、コンセプトがあいまいなままだと「あれもこれも」と手を広げてしまい、仕込みの手間や食材のロスが増えたり、お客様にとって「何のお店か分からない」状態になったりしやすくなります。

手順1 「だれに」を一人の人物で考える

まず、来てほしいお客様を具体的に思い浮かべます。「20〜60代の男女」のように広く決めるのではなく、一人の人物として書き出すのがコツです。

  • 年代や暮らし方(会社員、子育て中、観光で来た方など)
  • 来店する時間帯と目的(平日のランチ、仕事帰りの一杯、家族の記念日など)
  • そのお客様が困っていること、うれしいこと

たとえば「平日の昼、休憩時間が短い近くの会社員。早く出てきて、野菜もとれる定食がうれしい」というように書くと、メニューや提供の流れが見えてきます。

手順2 「なにを」はお店の強みから選ぶ

次に、お店が提供する価値を決めます。ここでは、ほかのお店のまねではなく、自分のお店が無理なく続けられる強みから考えることが大切です。

  • 店主の得意な料理や、これまでの経験
  • 使える食材や仕入れ先(地元の農家さん、漁港に近いなど)
  • 立地の特徴(駅に近い、駐車場がある、観光地に近いなど)

島根のように地元の食材が豊かな地域では、地元の食材をどう使うかも強みの候補になります。ただし、季節や仕入れの都合で安定して用意できるかどうかも、あわせて確認しておきましょう。

手順3 「どのように」で過ごし方を決める

同じ料理でも、届け方でお店の印象は大きく変わります。

考える項目 決めておきたいこと
提供のスタイル 定食・一品料理・コース、カウンター中心か座敷か
時間の使い方 短時間で食べられるか、ゆっくり過ごせるか
価格帯 お客様が1回に使いたい金額に合っているか
雰囲気 内装、器、BGM、接客の言葉づかい

手順1で決めたお客様にとって、ちょうどよい過ごし方になっているかを一つずつ確かめます。

手順4 ひとことで言える文章にまとめる

ここまでの内容を、次の形にあてはめて一文にします。

「(だれ)が、(どんな場面)で、(なに)を、(どのように)楽しめるお店」

できあがった文を、スタッフやご家族に読んでもらってください。「どんなお店か思い浮かぶか」「行ってみたいと思うか」を聞くと、分かりにくい部分に気づけます。長い文になってしまう場合は、まだ欲ばっているサインです。いちばん伝えたいことを一つに絞りましょう。

手順5 メニュー・価格・発信をコンセプトに合わせる

コンセプトは決めて終わりではなく、お店のすべてに反映させてはじめて伝わります。明日からできる見直しとして、次の3つをおすすめします。

  1. メニュー表を見直す:今のメニューを一品ずつ見て、コンセプトに合うものに印をつけます。合わないものは、やめる・季節限定にするなどを検討します。
  2. 価格を確かめる:手順1のお客様が「この値段なら来たい」と思える価格か、そしてお店にきちんと利益が残るかの両方を見ます。
  3. 発信の言葉をそろえる:看板、メニュー表、Googleビジネスプロフィール、SNSの紹介文で、同じ言葉を使ってコンセプトを伝えます。

なお、コンセプトとして「産地」や「手づくり」などを打ち出す場合は、実際の内容と表示が合っていることが前提です。お客様の信頼を守るためにも、事実と違う表現は使わないようにしましょう。

開業前なら創業計画書づくりにも役立つ

これから開業する方にとって、コンセプトづくりは資金の準備にもつながります。日本政策金融公庫が公開している創業計画書の書式には、「取扱商品・サービス」「セールスポイント」「販売ターゲット・販売戦略」「競合・市場など」といった欄があります。コンセプトがはっきりしていれば、これらの欄に書く内容も整理しやすくなります。

公庫のホームページでは、創業計画書の書式と、洋風居酒屋などの業種別の記入例も公開されています。書き方の参考にしてみてください。融資の手続きや条件は、公庫の窓口などで最新の情報を確認しましょう。

まとめ

  • コンセプトは「だれに、なにを、どのように届けるお店か」という約束
  • 来てほしいお客様を一人の人物として具体的に描く
  • 強みは、無理なく続けられることから選ぶ
  • ひとことで言える文にして、まわりの人に読んでもらう
  • メニュー・価格・発信の言葉をコンセプトにそろえる

コンセプトは一度決めたら変えてはいけないものではありません。お客様の反応や数字を見ながら、少しずつ磨いていくものです。「自分の店の強みが分からない」「考えを整理する相手がほしい」という方は、お気軽にご相談ください。

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