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飲食店のインボイス制度の基本|2026年10月からの変更点もやさしく解説

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飲食店のインボイス制度の基本

飲食店のインボイス制度の基本

2026/10/04

「インボイスって結局、うちの店は何をすればいいの?」「レシートの書き方は今のままで大丈夫?」――飲食店のオーナーさんから、今でもよくいただくご質問です。インボイス制度は2023年10月に始まりましたが、その後も見直しが続いていて、2026年10月からは仕入れに関するルールの一部が変わりました。
この記事では、飲食店に関係の深いポイントにしぼって、インボイス制度の基本をやさしく整理します。なお、税金の扱いはお店ごとに違います。最終的な判断は、必ず顧問の税理士さんや税務署に確認してください。この記事は、相談の前に「何を聞けばよいか」をつかむための下準備として読んでいただければと思います。

インボイス制度をひとことで言うと

インボイス制度は、消費税の計算方法に関するルールです。お店は、売上で預かった消費税から、仕入れや経費で払った消費税を差し引いて納税します(これを「仕入税額控除」といいます)。この差し引きをするために、原則として「インボイス(適格請求書)」の保存が必要になりました。
インボイスを発行できるのは、税務署に登録した「インボイス発行事業者」だけです。登録すると「T」から始まる登録番号が届き、レシートや請求書にその番号を書きます。 飲食店にとっては、次の2つの面があります。
- **売る側として**:お客様(特に会社の接待や宴会で領収書を求める方)にインボイスを渡せるか
- **買う側として**:仕入れ先からインボイスをもらえているか

お店のレシートは「簡易インボイス」でよい

国税庁の資料では、不特定多数のお客様を相手にする小売業・飲食店業・タクシー業などは、記載事項を少なくした「適格簡易請求書(簡易インボイス)」を交付できるとされています。簡易インボイスに書く主な内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ① | 発行事業者の氏名または名称と登録番号 |
| ② | 取引年月日 |
| ③ | 取引の内容(軽減税率の対象品目であればその旨) |
| ④ | 税率ごとに区分して合計した対価の額 |
| ⑤ | 税率ごとに区分した消費税額等、または適用税率 |
通常のインボイスと違い、お客様(受け取る側)の名前は書かなくてもよいのが特徴です。店内飲食とテイクアウトの両方がある店では、10%と8%が混ざるため、レジの設定が税率ごとに正しく分かれているかを確認しておきましょう。

2026年10月から変わったこと(仕入れの経過措置)

インボイス発行事業者ではない相手(免税事業者など)から仕入れた場合、本来は仕入税額控除ができません。ただし、急な負担を和らげるため、一定の割合を控除できる「経過措置」があります。
令和8年度の税制改正で、この割合と期間が見直されました。国税庁の特集ページで示されている内容は次のとおりです。
| 期間 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 2026年(令和8年)10月〜2028年(令和10年)9月 | 70% |
| 2028年(令和10年)10月〜2030年(令和12年)9月 | 50% |
| 2030年(令和12年)10月〜2031年(令和13年)9月 | 30% |
| 2031年(令和13年)10月以降 | 0% |
これまでの80%から、2026年10月以降は70%になっています。地元の農家さんや個人の業者さんなど、登録していない相手からの仕入れが多いお店ほど、少しずつ影響が大きくなる可能性があります。どのくらい影響があるかは、仕入れの金額や納税の方法によって変わるため、税理士さんに試算してもらうと安心です。
また、税込1万円未満の仕入れや経費について、一定の規模以下の事業者はインボイスがなくても帳簿の保存だけで控除を受けられる「少額特例」があります。国税庁の資料では、基準期間の課税売上高が1億円以下(または特定期間の課税売上高が5,000万円以下)の事業者が対象で、期限は2029年(令和11年)9月30日までとされています。

小さなお店の納税の特例(2割特例・3割特例)

免税事業者からインボイス発行事業者になったお店向けに、納める消費税を売上の税額の2割にできる「2割特例」がありました。国税庁の特集ページでは、この2割特例は2026年(令和8年)9月30日で終わるとされています。
そのかわりに、個人事業者向けの「3割特例」が新しく設けられました。基準期間の課税売上高が1,000万円以下で、インボイス発行事業者の登録を受けている個人事業者が対象で、令和9年分と令和10年分の申告で、納める税額を売上の税額の3割にできるという内容です。法人は対象外とされています。
さらに、2割特例・3割特例を使った翌年の課税期間に限り、申告期限までに届出をすれば「簡易課税制度」に移れる措置も設けられています。自分のお店がどれに当てはまり、どれを選ぶのが良いかは、売上や経費の状況で変わります。ここは自己判断せず、税理士さんと一緒に決めてください。

明日からできる5つの確認手順

難しい計算の前に、まずはお店の「現状」を把握しましょう。次の5つは、明日からすぐにできます。
1. **レシートを1枚取り出して見る**:登録番号、日付、税率ごとの合計、税率または税額が載っているか、上の表と見比べます
2. **レジの税率設定を確認する**:店内飲食(10%)とテイクアウト(8%)が正しく分かれているかを、実際に打って確かめます
3. **仕入れ先の一覧を作る**:仕入れ先ごとに「登録番号があるか」を書き出します。番号は国税庁の「インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト」で確認できます
4. **登録していない仕入れ先の金額を合計する**:1年間でどのくらい買っているかをざっくり出します。経過措置の影響を考える材料になります
5. **1万円未満の支払いの記録方法を決める**:少額特例の対象になるかを確認したうえで、帳簿への書き方をスタッフと統一します

税理士さんに相談するときに準備しておきたいこと

相談の時間を有効に使うために、次のものを用意しておくと話が早く進みます。
- 直近の決算書(または確定申告書)
- 今のレシートの見本1枚
- 手順3・4で作った仕入れ先の一覧と金額
- 「2割特例を使っていたか」「簡易課税の届出をしているか」など、今の納税方法が分かるもの
そのうえで、「2026年10月からの変更で、うちの納税額はどう変わりそうか」「来年以降、どの計算方法を選ぶのが良さそうか」と聞いてみてください

インボイスは「数字を見直すきっかけ」にもなる

インボイスへの対応で仕入れ先の一覧を作ると、「どこから、何を、いくらで買っているか」がはっきりします。これは原価率や仕入れ先の見直しを考えるときにも役立つ資料です。税金の判断は税理士さんにお任せしつつ、作った一覧はお店の経営改善にも活かしていきましょう。

まとめ

- インボイス制度は消費税の計算のルール。飲食店は「簡易インボイス」を交付できる
- 2026年10月から、登録していない相手からの仕入れの控除割合は80%から70%に変わった
- 2割特例は2026年9月30日で終了し、個人事業者向けに3割特例が設けられた
- まずはレシート、レジ設定、仕入れ先の登録状況を確認する
- 納税方法の判断は、必ず税理士さんや税務署に確認する 制度対応は、お店の数字を整理するよい機会です。仕入れや原価など経営面の見直しは、私たちもお手伝いできます。
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